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ある会社の社長室――。
「糞ジジィ…もういっぺん言ってみろ。」
ソファーには明らかに怒りの表情の男性が老人に怒鳴っていた。
「なんだ…聞こえんかったのか?だから…お見合いしろ。恭夜。」
「ちなみに相手は私の姪よ。」
隣には紅茶を優雅に飲む玲奈がいた。
「なんで、玲奈の姪なんかと見合いしなくちゃいけないんだよ。」
「アンタ、自分の立場わかってるの?今、貴方は経済界のトップにいるのよ。神宮寺社長?」
恭夜が嫌そうな顔をした。
「それは親父が無理やり俺に継がせたからだろ?」
「会社を大きくしたのはそっちだろ。」
「チッ…。」
「それで、私のところの黒桜家が貴方と仲良くしたいのよ。」
「政略結婚か?」
黒桜家は政治一家であり経済界でも力のある一族だ。
「違うとは言えないわね。」
「なら、断る。」
恭夜は玲奈を睨みそう言った。
普通の女性なら怖がるだろうが玲奈は平然としていた。
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