710人が本棚に入れています
本棚に追加
突然の来室者に、部屋の空気が震える。
未だにぷりぷり怒っているユリエルは、足を踏み鳴らしてマスターデスクまで歩いていくとどっかりと座り、腕を組んだ。
勢いよく座ったせいで、豪華な回転椅子はユリエルを乗せ、クルクルと回っている。
「ま、確かに【雷神の裁き】はやりすぎだね。止めて正解だよ」
後に続いたレオンが苦く笑うと、ローラの後ろから最後に入ってきたマッシュが静かに扉を閉めた。
「だよなぁー。まぁ正直なとこ、コルトが本当に【雷神の裁き】を覚えたのか、ちょっと見てみたかったけど……。
そっ、そーいやぁ、あの賭けはどうするんだ?」
応接用のソファに勝手に座りながら、もったいなさそうにつぶやくが、すぐにユリエルに冷たい目でキッと睨まれ、マッシュは慌てて話題を変える。
・
最初のコメントを投稿しよう!