ユリエル・シェスタ

3/22
前へ
/206ページ
次へ
 彼はある扉の前で止まると、コンコン、と軽くノックをした。 「失礼します」  返事はないだろうが、一応部屋の主に断りをいれ、台車と共に中へと入る。 「ユリエル様、おはようございます。朝ですので、どうかお目覚めください」  丁寧にそう言うと、シャッ、と軽い音を立てながら、部屋で一番大きな窓のカーテンを開ける。  薄暗かった部屋にも、柔らかな朝日が射し込んだ。 .
/206ページ

最初のコメントを投稿しよう!

710人が本棚に入れています
本棚に追加