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夜の中央図書館――。
昼間なら多くの人が訪れ、多少は賑わう図書館だが、今ではひっそりと静まり返り、古くからの知識を繋ぐたくさんの書物たちも、深い眠りについているようだ。
だが。
司書たちもすでにほとんどが帰ってしまったにも関わらず、びっしりと本で周りを埋められたメインホールの電気は、いまだに煌々と明るいままだった。
――――ぱらり。
誰もいないかのように思われた空間だったが、本をめくる音が聞こえてくる。
閲覧室の窓際の奥の席。
そこに、まだ十歳にも満たない幼い少年が、大人でも手に取るのを躊躇うような分厚い書物を食い入るように読みふけっていた。
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