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「ぁ、クロちゃん。迎えに来てくれたの? どうもありがとう!」
ユリエルと呼ばれた少年は、燕尾服の若者の姿を認めると、にっこりと無邪気そうに笑いかけた。
それを見ると、クロちゃんと呼ばれ、身なりがいい割に乱暴な言葉遣いの若者は、脱力して思わず扉に手をついた。
「はぁ……、お前さぁ、あんま夜遅くまで残ってんなよ。またなんかよくわかんねーゴロツキに狙われんだろーが」
そういう若者の後ろには、先ほどの黒い影の正体だと思われる男達が、山のように積まれていた。
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