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「あーお腹すいたあーっ」
お昼休みになると、郁の周りにタチ君達が我先にと集まってきた。
「じゃ俺と行こーぜ」
「いや俺だろ」
「俺だし」
「俺だ」
「…」
「…」
「どうしよっかなぁ~」
…郁は可愛く笑う。
それだけでみんな鼻血もんだ。
「あ、そう言えば僕、お財布忘れちゃったんだあ…」
シュン…とする郁に、
「俺買ってくる!!」
「いや俺が!」
「俺だー!」
とタチ達はこぞって購買に走り去っていった。
郁はクスリと笑いながらそれを見ていた。
もちろん財布は忘れてなどいない。
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