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話し方や、見た目とは似合わない声に驚いたのだろう。
二人の男は自分を見て、目を見開いていた。
…面白い。
畳に座っていた男は、早速質問をしてきた。
「てめぇは、長州の者か?」
……待て。今、聞き慣れない単語が聞こえたぞ?
「長州?…何じゃそれは。」
沈黙。
「真面目に言ってんのか?」
「当たり前じゃろう?そもそも儂は、山奥に住んでいたのじゃぞ?そんなもの知るか。…というか、ここはどこじゃ。」
また沈黙。
意味がわからん。
こやつらは、何の話しをしている?
「…まぁ良い。次だ。名は?」
「人に聞く前に、貴様が名乗れ。」
ピクリと眉を動かしたこの男。
相当、苛ついているな?
布団の上で、愉快そうな顔をしている自分。
「……土方歳三。」
不機嫌な声でそう言った。
「あっ!僕は、沖田総司です。」
襖の近くにいた男が、土方の隣に座りながら言った。
「じゃあ、土方と沖田と呼ばせてもらおう。儂の名は、狼華怜(ロウカ レイ)。狼風(ロウフウ)一族の当主じゃ。因みに、こんな話し方をしているが、女だ。武器はそこにある鎌。狼影斬(ロウエイザン)。ワシの、相棒だ。」
意味がわからないという顔をする二人。
当たり前だ。
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