接触

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「…よし、土方。儂は決めたぞ。……この組織に入れてくれないかのう。」 「「!?」」 部屋の中が、一気に静まりかえった。 「…正気か?ここは、女人禁制なんだぞ?女を入れる訳にはいかない。……女中でもするか?」 「はっ……女中だと?笑わせるな。家事など出来るわけないじゃろう。それに、戦いには慣れている。」 いくら戦い慣れていても、女だから……そんな考えが、土方の中にはあった。 ……近藤さんに相談してみっかな? ふと、自分たちの局長を思い出した。 あの人なら、良い答えを出してくれるかもしれねぇ。 「総司。俺は一回、近藤さんに相談してくっから、そいつ見張っとけ。」 そう言うと、足早に去っていった。 「…近藤とは誰じゃ?」 「この組の局長です。とても優しい方なんですよ?土方さんとは、大違いで。」 クスクスと笑う沖田の顔は、まだ幼さが残っていた。 こやつが人を斬っているなんて、信じ難い。 じゃが、この組に入れてもらえれば、村の仇をとれるやもしれぬな。 .
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