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少しばかり時間が経った頃、土方と見知らぬ男が部屋に入ってきた。
「やぁ、こんにちは。事情は全て歳から聞いたよ。…傷は大丈夫かい?」
第一印象…………優男。
怜は、痛む身体を無理に正座させた。
沖田が焦り、土方が驚く中、怜は口を開いた。
「はじめまして。狼華怜と申します。近藤さん、単刀直入に伺います。…ここに居座らせていただけないでしょうか…」
沖田と土方は、これでもかというほど目を見開いた。
「てめぇ…俺らとは、態度が全く違ぇじゃねぇか。」
土方は睨みながら、不機嫌そうに言った。
そんな中、沖田だけはニコニコしながら驚くべきことを言った。
「まったく怜さんは…人見知りですか?意外と乙女なんですね。信用した人には心を開く性格とか?」
ピクッと、明らかに動揺している怜。
「お、沖田。貴様、何をほざいておるのじゃ?ひと…人見知りじゃなんて、儂はそんな女々しくないわ。…警戒しているだけじゃよ?…というか、呼び捨てで良い。」
「何だよ。それならそうと、はっきり言えよな。まぁ、今更遅いが…。」
ニヤリと笑いながら、自分の事を見ている土方…。
殺したい!
「……えーっと。そろそろ良いかい?」
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