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「俺は、ここに怜を置いても構わないぞ?総司はどうだ?」
「構いませんよ。」
「…歳。良いんじゃないか?住まわせても…」
無言で考える素振りをする土方。
「飯を無償で喰わせるわけにはいかねぇ。……隊士になるか?」
「隊士とは……刀を振り回す役柄かのう?真っ昼間から。じゃったら、忍の方が性に合うんじゃが…」
土方は、眉間の皺を減らすと少し大きめな声で言い放った。
「そうだ!その手があるじゃねぇか!近藤さん。こいつ、監察に入れようぜ。山崎あたりに素質を見てもらって…」
「良い案だな!そうしよう。そうと決まったら、早速山崎くんを呼んで……」
近藤が言い終わる前に、天井から黒い影が舞い下りてきた。
「俺の出番やな?土方さん。話しは全部聞いとった。…構へんよ?」
「…怜、動いても平気なんですか?」
「余裕じゃ。」
「…表へ出ろ。時間は無制限。負けを認めざるを得なくなるまでだ。武器は……お互い持ってるよな?」
怜はその言葉を聞くと、左腕を横に振った。
ジャキッという音と共に、暗剣が飛び出した。
「これで良いじゃろう?」
「俺は大丈夫やで。」
「…よし。決まりだ。」
土方のその言葉で、一同は襖を開けた。
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