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「ハッ…ハッ…ハッ…ハッ…」
屋根の上を、息を乱しながらも物凄い速さで駆け抜ける一つの影。
「…」
その後を、無言で追う四つの影。
「…くそっ……」
追われている側は一瞬で後ろを向くと、四つの影…忍に襲いかかった。
キンッと、硬いものがぶつかる音がした。
「…なめるなよ。」
そう言うと、一人の忍の首を右手で切り裂いた。
そのまま無言で倒れようとする忍。
今はまだ生きているかもしれないが、そのうち出血多量で死ぬだろう。
倒れそうな忍の身体を蹴って大きく後方に跳び、距離を置く。
残りの三人の忍は、武器を構えながら走ってくる。
追われている側は、真っ黒の袴のようなものを着ているが、その袖は異様に長い。
先程は、一瞬で袖から腕を出し、何かで攻撃したのだろう。
左手を横に振ると、暗剣が出てきた。
短剣の刃先が袖から飛び出た形だ。
そのまま忍が来るのを待っている。
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