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「言っておくが………あのままだったら死んでいたぞ、お前は」
ぴたりと笑いを収め、真正面から瞳を覗かれる。茶化す瞳では、無い。
紫希は何の事を言っているのかと目を泳がせた。
―――――死
穏やかではない。
「まあ知らないよな。《宝石持ち》の寿命はおよそ18年………お前は…見た処人間齢で15…16ぐらいか。具合、…悪かっただろう?《宝石持ち》はその強大な力を貧弱な人間の体に持つことになる。耐えられないのだ。力に。体が」
……………18歳まで………
「私を助けた、と言いたいのか…?」
だとしたら私は…
「いや、タイミングが良かっただけの事。偶々私が人間界に行き、偶々お前に巡り会っただけの話だ。此方の都合でもある」
「都合?」
「新しい妖魔が生まれなくなった」
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