帰郷

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部屋の外は広い廊下になっていた。 見たことのない植物達が淡い水色の光を放っており、照明の役割を果たしている。 「…綺麗……だな」 どうやら行動は制限されてはいない様で、自由に歩いているが何も言われない。……と、言うか人に会わない。 「これだけ広い場所に何でこんなに人が居ないんだ?…困ったな………」 一度、元居た街に戻りたい。 断りを入れてからと思って先程の連中を探すも、あまりの広さに流石に気が滅入る。 「はあ…ルクロディウス……出てこーい」 「呼んだか?」 「どわあああああああ?!」 いきなり後ろから。 …妖魔は人の後ろを取るのが好きらしい。 「びびびビックリさせるな!」 心臓の上を押さえて振り向くと、そこにはルクロディウスが笑い含みで立っていた。
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