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「こんな服似合うはず無いだろ……」
紫希は抱きついてきたレキを支えながら溜め息を吐く。
彼女が着ていたのはまるでどこかの貴族風の衣装だった。
「そんな事在りませんよぉ!シキ様のその美しい御髪とお顔によく似合いますっ!」
「いや、私はごく普通の…………?!」
部屋の隅にあった鏡が目に入る。
恐らく自分であろう姿が映っていた……のだが。
「な…ななな何だよこれ!」
走って鏡の前まで行き、がしっと掴む。
じっくりと自分の姿を眺めるが…
「何だこの髪、この眼……………」
元々の紫希の容姿は中の中。髪は茶色に近い黒で短めのものだった。
しかし今鏡に映る姿は…
髪は輝く銀髪、瞳は深い紫。寝ている間に伸びたのか、長さは腰ぐらいまであった。
そしてなぜか顔は三割り増しぐらい綺麗になっていた。
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