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学校などというものは皆、似たような外観をしている。だが《それ》は、校舎の形、入り口の位置、校庭の広さ。
全てが自分の通っていた学校を思い出す。
「そっくりだ……………」
此処から人間界に行く事が出来る。
………しかし、まて。学校にこんな目立つ3人が現れたら騒ぎになるのでは?
「本当に此処から行くのか?目立つんじゃ……」
心配になり聞いてみるも、ファラナは笑顔を崩さない。
「安心して下さい。この様な人間の施設と重なっている場所はその土地の所有者同士で契約しているのです。
契約する事によりお互いの世界の行き来する場所を限定する事が可能になり、すなわち目立つ処には出ない、と言う事です」
やや長い説明で分かり辛いが、つまりは人間界の学校に出ても【目立つ様な場所】には出ない、と言う事らしい。
学校の校舎裏とかだろうか。
しかしそんな契約があるとは知らなかった。
普通の人間は皆の事は知らないだろう。
「それでは行きましょうシキ様!」
見ると2人が紫希を振り返り、笑みを浮かべていた。
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