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紫希は落ち着いて考えた。
例え此処で元の様な生活を望んでも叶わない。ならばやはり自分はあの妖魔の世界で暮らさねばならないのだ。
だとしたら……覚悟を決めろ。
紫希は――シキは、妖魔の生を肯定した。
「納得したよ、覚悟も出来た。―――私は“帰ろう”。あの城へ」
レキは満面の笑みで、ファラナはまだどこか心配そうに、それでも嬉しさを隠しきれない何とも言えない表情を浮かべた。
シキはそんな2人に頬を緩め、笑って見せた。
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