ファミリーカーでデートをしないこと。

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  試合開始直後、ドンッ!という鈍い音が響いた。 その音は、ニクスが地を蹴り、前方へ跳んだ音で、そのドンッ!って音の次に聞こえた、え!?って音は、前方へ跳んだはずのニクスの声帯が揺れた音、いや、声で。 で、 今、ステージの上には、ニクスの姿しかなく、ピスの姿は見当たらない。 たぶん、試合開始直後、ニクスが前に跳んで攻撃を仕掛けた。で、それを高速で避けて、ピスは、姿を眩ました。 ニクス「消えた。いや、自ら消したのか!!!」 カイ「自ら…?って、ことは、と、透明になったのか!!??」 イヴ「いや、違う!ニクスの開幕攻撃を避け、その直後、自分の周囲に、壁を作ったんだ。 カメレオンの肌の様に、周囲に溶け込む、特殊な壁を!」 カイ「…す、すごい。」 ピス「インナケイス。」 ステージの上に、突如 姿を現したピスは、相手選手のニクスに、攻撃をした。 カイ「インナケイス!?"魔の箱" の呪文か!」 ニクスを中心に、立方体の箱が出現した。 その立方体は、半透明色で、内側に閉じ込められたニクスの、 意表を突かれ驚いた表情 が、こちらから伺える。 カイ「あの結界は、シールドの類いではない。ピスの、攻撃魔法だ!」 イヴ「あぁ。おっさんのクセに、やるなぁ~。」 ピス「はぁ!!!!!!!」 そう叫んだピスは、前に突き出し、大きく開いた手のひらを、グッと強く握りしめた。 シュッ! ニクスを囲う結界が、ギュッと、小さくなり、ニクスを覆った。 ニクス「…ガ ああぁ!!!!!」  
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