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ニクス「種明かしといこう。
アンタの その魔法壁を軸とする戦闘方法は、素晴らしかったよ。
試合開始直後、アンタは壁をつくり、その中に隠れた。そう思ったら、俺を六面壁の中に入れ、自由を奪った。」
ピス「魔法壁という、マイナーな魔法も、使い方次第では とても役に立つ、主力魔法になるのだ。
この歳になって、やっとそれに気付いた…。」
ニクス「そんなアンタは知ってると思うが、一般的な防御魔法のシールドの類いってのも、相手と自分の間に、"壁" を作り出す魔法だ。
普通のリーラーは、壁のような形状のシールドしか張ることができないし、それ以外のシールドを必要としていないんだ。
まぁ、シールドなんざぁ、壁的形状で十分だもんな。
しかし俺は違う。
皮膚の皮 一枚レベルのシールドを作り上げることができる。」
ピス「!」
ニクス「シールドと、体との隙間が、ほぼ無いんだよ。
わかるか?
ミクロ単位の話だ、皮膚そのものをシールドにしていると言っても過言ではない。」
カイ「なっ、なんだてええ」
イヴ「俺たちのような一般的なリーラーが使うシールド魔法は、中世の騎士が片手に持っていた盾のような、いわば "壁" に過ぎない。
ゆえに、シールドと術者の間に隙間がある。
しかし ニクスは、盾ではなく、まさに鎧。シールドと術者の間に隙間のない、鎧的形状のシールドを可能にしたんだ。」
カイ「反則だぜぇ…こりゃぁ…」
ニクス「アンタは、インナケイスって魔法で、俺の全身を囲った。しかし その魔法は、壁で相手を 前後左右上下 から挟み込み、相手の身体的自由を奪う魔法。俺が、その壁に囲まれたとき、アンタの壁と、オレの体には、数ミリの隙間があったんだ。
そこで俺は、その数ミリの隙間に、さっき言ったような ミクロ単位のシールドを全身を覆うように作り、防った。
だから あの爆発も、シールドのお陰で ほぼノーダメージのまま終わった。
アンタのポリシーには、頭が上がんねぇが、俺は、アンタの "壁" を越えたぜ。」
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