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「私と2人で…ずっと…」
夢の中で少女が語りかけてきた所で少年は目が覚めた。
「夢か…」
眠い目をこすりながらベッドから這い出て、そのままシャワーを浴びる。
こうしないと寝癖がとれないのが少年の密かな悩みだったりする。
身支度を整えた後、ホテルのチェックアウトをするために階下に降りる。
身分証明書を提示し、チェックアウトを済ませる。
「影原 悠(かげわら ゆう)さんですね。チェックアウトでよろしいですか?」
愛想のいいホテルマンが丁寧に尋ねる。
「えぇ」
悠も愛想よく答えた。
預けていたものを受け取り、ホテルから出ようとすると、
「あの、ガーディアンの方ですよね?こちらの街にはどのようなご用事で?」
先ほどのホテルマンが聞いてきた。
「ちょっとした仕事ですよ」
悠は笑いながら言いホテルを後にした。
ここでガーディアンについて語っておこう。
悠も含めた彼らは正義の味方とあいうってはいるが実際は何でも屋みたいなもの。
子供のお守りから政治関連の仕事まで依頼された仕事は何でもこなす。
悠は今回ある任務のため、このアグノリアの街に来ている。
「さて…と。依頼人との面会まで1時間近くあ人呟いてみる。
現在時刻は11時を少し回ったところ。
待ち合わせは正午なのでそれまでは手持ち無沙汰になってしまう。
街を歩いて回ろうかと考えていると、
「このガキ!どこに目を付けてやがる!」
後ろから怒声が聞こえた。
何事かとそちらを見るとチンピラっぽいヤツがなにやら少女に向かって怒鳴っていた。一応正義の味方(笑)なので声をかけにいく。
「あの…」
「あぁぁぁん?」
チンピラはこちらに振り返る。
「なんだよ兄ちゃん。なんか用か?」
いえ…と返しながら先ほどの身分証明書を出す。
「特に用事は無いですけど、大の大人が小さな女の子に昼間っから大声で絡むのはどうかと思いまして…」
「ガキのクセにガーディアンかよ。チッ…」
チンピラは舌打ち去って行った。
ガーディアンには逮捕権限も与えられていて犯罪者などを捕らえる任務の後にはそのまま警察に引き渡すことができる。
チンピラはこのことを知っていたために去ったのだろう。
「あの…」
突然、後ろから声をかけられた。
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