その出会いはDestiny

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声をかけてきたのは絡まれていた少女。見た目は金髪のセミロング。服装は白く清楚なワンピース。顔は…可愛い。ライトノベルならこのページはおそらくカラーイラスト化されているだろう。 「ありがとう…」 と小さな声でお礼を言われた。 「いや、当然の事をしたまでだよ」 と軽口を叩いておく。 少女はもう一度礼を言った後ペコリとお辞儀をすると去っていった。 …………………………。 気のせいだといいんだが…。 僕にはさっき絡まれている最中のあの子の手には何か光る者が見えた…気がする。しかし今話した限りではそんなものは隠してはいなかった。 心に残るものを抱いて悠は依頼人との待ち合わせ場所へと向かった。 ☆☆☆ 「ではあなたが…今回の依頼を?」 依頼人は怪訝な顔で訪ねて来た。 「はい」 「まだ私達の息子と大して変わらないのに…」 心配そうな声を出す依頼人の妻。今回の依頼人はこの研究員夫妻。名前はここでは割愛させていただく。 「では、今回の依頼はアグノリアの街を牛耳る地主トルネオの屋敷に潜入、生物実験の研究成果の奪回または破棄。ということでよろしいですね?」 「ええ…」 夫妻は不安な顔で返事をする。 「大丈夫ですよ。僕ももう17歳ですしキムチも食べれますよ!」 悠が冗談混じりに言うと夫妻は笑いながら、 『それではお願いします』 と妙に神妙な面持ちで言ってきた。 -夜- 漆黒のコートに身を包んだ悠はトルネオの屋敷の裏口付近に来ていた。 「見張りは1人…」 と呟きカードから剣を呼び出す。 カードについて説明するといわゆる魔法アイテム。カードに登録されているアイテムを別次元にある倉庫から呼び出して、取り出せる。他にもカード同士で通信ができたりと色々な機能があったりする便利アイテムである。 「さて…行くか」 警備員が余所見をした瞬間に悠は相手の背後まで一瞬で詰め寄り、口を抑え、剣を首筋にあて… 「生物研究室はどこだか…知ってる?」 警備員に尋ねる。 警備員はフルフルと首を横に振ったので首を絞めて気絶させる。 見張りもいなくなったので悠は屋敷に裏口から静かに侵入した。 侵入する際には先ほどの警備兵から服を奪っている。 屋敷内は広かった。迷子になりそうな予感すらした。 研究室を探していると階段についた。 「…………………」 下だな。魔王とかもたいていは地下にいるし。 悠は階段を降りて行った。
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