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最悪だ……
俺は溜め息をつきながら、机に突っ伏していた……。
なぜかって?
ははは…………それはね。もうすぐ俺が死ぬからさ!
そう、今から始まるホームルームが終われば、俺は担任に殺されなくちゃならない。
理由?
前のページを読め!阿呆!
「まったく!
不幸やなぁ!尚っちも!」
聞き覚えのある声が俺の名前を呼ぶ。
うん……。この関西弁は、あいつだろう……。あいつしかいない……。
「うるせぇ!黙らねぇと舌切るぞ!明良!」
こいつの名前は恭明良(やすあきら)。中2の時からの付き合いで、一言で言うと、明日香と同じ人種の人間だ。顔やルックスは良い癖に阿呆なせいで、まったくモテないという悲しい奴だ……。
「尚っち~。今、ものすごく失礼なこと思ったやろ~?」
「あぁ……。阿呆なせいでモテない悲しい奴と思ったけど何か?」
「なんやと~!尚っちやって、目つき悪いせいで女子どころか男子も怖がって寄り付かんやんけ!」
うぐっ!
こいつ、俺の一番気にしていることを……。
確かに、この目つきのせいで不良に絡まれたりすることもある。
こいつ、それを知ってて……。さすがに殺意が……。
「あぁ!でも、尚っちには明日香ちゃんがおったな~!そうか~、なら結婚も心配ないないなぁ!」
ははは……。
こいつ、言ってはいけないことを言いやがったな……。殺す!
俺は、机にしまっていた護身用?のカッターを出す。
うん、俺、こいつと一回殺り合わないといけないと思ってたんだぁ。
尚!行っきまーす!
「尚~、何やってんの~?そんな事したら恭君、死んじゃうよ?」
俺は後ろから何者かにしがみつかれ、動けなくなった。
いや……。誰かは分かっているんだが……。
「明日香、頼む!離してくれ!俺はこいつを殺さなくちゃいけないんだ!」
「いつもの尚らしくないよ!どうしだの?」
焦る明日香を見て、明良はニヤリと不適な笑みを浮かべる。
あいつ、何かたくらんでやがる!
ふざけたことぬかす前に早く殺さなくては!
「なぁ……。明日香ちゃん……」
「な、何?恭君」
「尚っちは、うちに明日香ちゃんが盗られると思って怒り狂ってるんやで……。なんせ、尚っちは明日香ちゃんを愛してるからなぁ」
うん……。何が何でもこいつだけは消さないといけないみたいだよ……。
じっちゃんの名にかけて!
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