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止まっ………た?
俺が死んでないところを見るとどうやら爆発は止まったみたいだ。
ふぅ……助かった……
俺は安心のあまりため息がでた。
しばらくの沈黙。
すると、女の子が俺にある質問をしてきた。
「あなたの名前は……何……ですか?」
そういえば、そうだったな。今日から俺は彼女の『教育者』だ、名前ぐらいは教えとかないとな……。
俺は、彼女に笑顔を作り自分の名前を言った。
「俺は、天月尚。呼び方は好きにしてくれ」
「天月……尚……。良い名前……です……。尚様……」
良い名前か……。
俺は照れくさくなって、顔を赤くした。
そういえば、いくつか質問があった。
俺は彼女に質問を始めた。
「お前、名前は?」
「あり……ません……」
「もう、爆爆発はしないのか?」
「いえ……愛を知って……一人前になるまでは……、爆発する可能性は……あります……」
「最後に、爆発はお前の意志か?」
「……いえ」
爆発は……意志じゃない?
なぜか怒りがこみ上げてきた。爆発させるためだけに、こんな少女を爆弾に使うなんて、許せなかった。
しばらく黙り込んでいると、少女が俺の顔を覗き込んできた。
「あの……どうか……しましたか……?」
「いや……。何でもないよ」
そう言って、彼女を撫でた。
そういえば、この子には名前が無かったな……。『教育者』初の仕事は名前を付けるってか?
「そう言えばお前、名前無かったな?」
「……はい」
「知愛(ちえ)なんてどうだ?愛を知れるように、で知愛」
「……知愛……。素敵な……名前……です」
そう……これが、俺と知愛の出会いだった。
その日の夜空は流星群だった……。
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