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ふと、俺は時計をみた。
そろそろ明日香がくる時間だ。
勿論、明日香に知愛のことは秘密にしておこう。何かと五月蝿いからな……。あいつは……。
そうだ、あいつで思い出した。知愛はこの家にいてもらわなきゃならないし、いくつか言うことがあった。
「おい、知愛!ちょっと良いか?」
「…………?」
知愛は、食パンをくわえながら、無表情で首を傾げた。
そういえば、知愛は昨日から、ずっと無表情だ。
まぁ、どうでも良い話だが。
「俺は、もう少ししたら出掛けるから。もし、腹減ったりしたら、冷蔵庫の物を適当に食べろ」
「……尚様……」
「ん?なに?」
「冷蔵庫って……何ですか……?」
……はい?
冷蔵庫がなに?
何を言ってんだ?この子は……
「冗談……だよな?」
「………………?」
冗談じゃない!?
俺は、少し驚いたが、そこである言葉を思い出した。
『教育者ですか?』
そういうことか……。
俺は、1人納得すると、知愛に冷蔵庫の意味を教えてやった。ついでに、周りにある簡単な物も教えてやった。
それからしばらくして、いつものように、インターホンが鳴った。
俺は立ち上がり、玄関に向かった。
「いいか?絶対に学校には来るなよ?」
そういい残して、俺は家を後にした。
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