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鳥のさえずる、静かな朝。
俺、天月尚(あまつきなお)はテレビの天気予報を見ながら朝食をとっている。
これは、俺のちょっとした日課だ。
『今日は全国的に晴れです。お洗濯にはもってこいですね!』
『そうそう、永井さん。今日は流星群が全国で観られるらしいですよ。』
「……流星群か……。今日の夜が楽しみだな。」
俺はパンの残りをかじる。
そして、父がくれた望遠鏡に目をやった。
ピンポーン
玄関の方からインターホンの音がした。
「今日はえらく早いお出ましだな……」
俺は気乗りが玄関に向かい、扉の鍵を開けた。
「尚!オッハヨ~!」
いつもの事だな……
俺は飛びついてきた『奴』を避ける。
『奴』は、俺が避けること予想していなかったのか、綺麗に頭からずっこけた。
『奴』の名前は、雲雨明日香(くもさめあすか)。
俺の幼馴染で、同じ高校に通っている。毎朝俺を迎えに来る迷惑な奴だ。
「いたた~。もう!転けたじゃないか!」
「お前が突っ込んで来たからだろ…………」
「そうやっていつも僕のせいにする!レディを何だと思ってるんだ!」
「いや……あれはあからさまにお前が悪いと思うぞ?それと、お前みたいな野蛮人がレディとか言うな……」
「何を~……」
俺はブツブツと、文句を言う阿呆を無視して時計を見る。
時計は8時を指している。そろそろ学校行かないとまずい。
俺は、いまだにブツブツと文句を言っている阿呆を置いて、家をあとにした。
後ろから明日香の罵声が聞こえる。
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