第1章 出会いはいつも突然で……

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さて、コンビニで弁当を買った俺だが。 状況は芳しく無いわけだ。 なぜかって? 幼馴染の阿呆が、時間が無いにもかかわらず食玩に食いついて動かなかったからさ! アハハハハ!幼馴染なんて、糞くらえ! 「明日香!もっと走れ! 遅刻すんだろうが!」 「もう僕しんどいよ~。 尚~どっかで休も~」 殺されたいのかね? この幼馴染は。 誰のせいで俺が現在進行形で走ってると思ってんだよ!馬鹿が! 「ツベコベ言わず走れ! ほら!学校が見えてきたぞ!」 「ほぇ~、ホントだ~。 でも、僕もう限界……」 あと少しの所で明日香は力つきた。 つか、何やってんだよ!この阿呆幼馴染が! 仕方ねぇ……。 負ぶってくしかねぇか……。 「―――な、尚!何するの!?」 「何って……。 負ぶってやってんだよ。」 「な、なんで?」 「なんでって……お前馬鹿か?あ、もともとか……」 「むー。 その言い方は酷くないかなぁ?」 「五月蝿いわ! だいたい、そんなにばててて走れんのかよ?」 「……走れるよ…………」 ほぉ!なら走ってもらおうか!? たく、無駄な意地張りやがって……。 しゃーねーな。 「よっこらせ」 「うにゃ! 何するんだよ!降ろせ~!」 「五月蝿い! ツベコベ言うな!」 「痴漢~!変態~!」 「おぉおぉ! 何とでも言いやがれ!」 「むー!」 たく、世話の焼ける奴だ……。 「…………」 ん? 急に静かになりやがったな。 寝たのか? 「ねぇ、尚」 なんだ、起きてたか……。 「んだよ?」 「その………。 あ、ありがと……ね…………」 「ん、どういたしまして……」
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