第1章 出会いはいつも突然で……

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さっきまで走っていた俺達も、ようやく学校に着いたわけだ。 なに?間に合ったのか? ハッハッハ! 勿論、遅刻だよ! まぁ、と言っても、朝のホームルームが途中参加になった程度だが。 前言撤回しよう。 事実、俺達はかなりヤバい状況にある。 担任があのろくでもない教師でなければ、別だったのかもしれないけどな。 「どうしよう……目黒先生、もう来てるよ?」 「んなこと俺に訊くな! 仕方ないだろ!遅れちまったんだから!」 「で、でも、この前遅刻した中野君は不登校になったんだよ?」 明日香は柄にもなくオロオロし始めた。 うん……。 分かってる、分かってるからオロオロするな……。 こっちまで不安になる。 「とにかく、もう諦めろ。入るぞ!」 「ふぇ?ちょ、ちょっと待って!まだ心の準備が!」 阿呆!何が心の準備だ! お前は告白される女子高生ですか? さて、阿呆の明日香はほっといてサッサと教室に入るか。 「すみません……。遅れ―――」 ん?ちょっと待て……。 俺の耳元に変な違和感が有るんだが……。 ものすごく気乗りはしないが、確認のため、俺は耳元の違和感に手を伸ばす。 うん、これは予想だけどサバイバルナイフじゃないかな?これ……。 「私のホームルームに遅れるとは……良い度胸だな。」 正直言っていいか? おれ、今ものすごく逃げたい。
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