輝く君

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俺はこんなにも君を想っているのに気づかない――。 太陽みたいに眩しいくらいの笑顔を向けてくる君。 ああ…――。 (俺の気持ち…気づいてほしいっスわ、謙也くん) 同じ気持ちなら、こないな気持ちにならんのに―――。 今は丁度、6時間目が始まった頃。 英語担当の教師がペラペラと話ながら授業を進めてる。 はっきり言えば、教え方がどヘタやねん。 謙也くんなら、もっと解りやすく教えてくれるわ。 ズラズラと英語並べ立てればイイと勘違いしとるんちゃう? 授業が始まってからずっと、耳に届く音を全て受け流す。 謙也くんの声が聴きたい…あの眩しいくらいの笑顔が見たい。 自然と顔が窓の外へと向いた。 今の時間は確か…――。 「白石!もっと速く走ってや!」 やっぱりな、3-2が体育やった。 謙也くんがピョンピョン跳ねながら白石部長が来るのを待っている。 「謙也、体育の時間は逃げんのやから、少しは落ち着き」 「何言うてんねん!!こう、もたもたーっとしてるうちに時間は過ぎてくっちゅーねん!!」 頬をぷくーと膨らませて大声で話す謙也くん。 可愛い通り越して愛しい。 ………末期やな。 窓側は、ギラギラと暑い太陽が照り付けて嫌やけど、謙也くんの姿が見れるなら構わへん。 今日は陸上なのか、白いラインを自慢の脚で歪みなくコート一周引いていく。 引き終わった後、自慢げにラインを指差す謙也くんに、白石部長は軽く受け流しながらポンポンと頭を叩いた。 "イラッ" 何や、イライラする。 謙也くんから離れろや、絶頂男。 クスクス笑いながら謙也くんの頭触んな。 無意識に窓の外を睨みつけた。
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