渚と満斗

3/9
前へ
/59ページ
次へ
「ラブシーンって何?」 「はぁ?」 真顔で渚は尋ね、思わずそんな渚に澪斗は呟いた。 パチクリと瞬きをして渚は、そんな澪斗の顔を見てる。 「ガキ…クスッ」 笑みを浮かべると澪斗は、渚のおでこを指で軽く弾く。 「あうっ」 目を瞑り渚は痛そうに言った。 「どうせガキだもん…」 その場で満斗を背にしゃがんで渚は、不貞腐れたように頬を少し膨らませて言った。 「……」 いじけてる… そんな渚を見て冷や汗混じりに満斗は思う。 「悪かったわね…ラブシーンも分からないガキですよ…」 渚はますます頬を膨らませて言う。 スウッ 「悪かったって渚…そういじけるなよ…用があってこっちに来たんだろう渚…」 満斗は渚の真後ろにしゃがむと、頭を撫でながら言った。 「馬鹿にしないでよ。」 スウッ 「えっ!」 一言渚はそう言うと立ち上がり、渚を見て満斗は、キョトンとして呟く。 「こう見えても私は満斗より二歳年上なの。私の方がお姉さんなんだから!!」 胸に右手を当てて渚は強い口調で満斗を見下ろしながら言った。 「ラブシーンも知らないのにお姉さん?」 目を細めて満斗は渚を見上げて言う。 「うっ」 冷や汗混じりに渚は言った。
/59ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加