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200X年…花雪町
彼はいつものように着替えを終えた後、家の仏壇の前に挨拶をする
『じゃあ行ってきます』
仏壇の写真には彼の父親と母親らしき人の姿が写っていた
仏壇への挨拶を終えると玄関から出ていく
そこには幼なじみの同級生が彼を待っていた
『何してたの、早く行かないと学校に遅れるわよ!!』
彼に声をかけた幼なじみは金髪のポニーテールをなびかせながら青い瞳をまっすぐに彼をみつめた…
そんな幼なじみに苦笑しながら返事をする
『悪い悪い、いつもの大事な日課を…な』
その言葉に幼なじみは全て理解した
『なら仕方ないわね、行こう』
家の前から二人は歩き出した
コンクリートに舗装された道を歩いていく
学校までは距離はなく、のんびり歩く二人
『かずきがもっと早く起きれば時間ギリギリなんてならないのに』
いつものように説教じみた事を言い出す彼女の事には慣れていた
『へいへい…セレスも、もうちょいおしとやかになればなぁ…』
『なんか言った!?』
鋭い眼光がかずきへと向けられ、つい目をそらしてしまうかずき
『いや…なんでも…』
『絶対何か言ったでしょ!』
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