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学校を出れば、長い下り坂が眼下に映る。
来るときに初めてこの坂を登ったが………。まだ春前だというのに軽く汗をかいてしまう。
夏になったときを想像すると億劫だ………。
自分の家に全速前進し、いつの頃からか気にも止めなくなった、自分の視界に映る数字を見ながら坂を下る。
「ん………?」
今、左の隅に違和感を感じた。
それは、今まで生きてきて初めてな感覚だった。
ま、関係無いだろう。
確かに今まで感じたことの無い感覚が俺の体を包んだが、この目が異常だと気付いた時から物事に深く突っ込まないようにしていた。
だから僕は、そのまま家に帰ることにした。
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