異端

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物心つくころから、ぼやけた数字が見えていた。 ふわっ、と空中に浮くように数字が見えていた。 ある程度慣れてくると、人と一緒に映っていることが分かった。 何を意味するのかは分からないけど。毎回、数字が減ったり、増えたりしているのも分かった。 僕は、これが普通だと思っていたから、何も疑問に思わなかったし、別に言おうとも思わなかった。 親が、友達が、この数字が見えていないというのを知ったのは、小学校低学年頃。 その頃から苛め始められて、無口になったと思う。 お陰で、友達と言えるのはいない、別にいいけど。 銃は、ある小説を読んで好きになった。十代半ばの少女と喋るバイクの、国を渡るお話。今でも読んでいる。 あれの学園ものも面白い。 閑話休題。 昔話ももう良いだろう。 今は夜。目が覚めれば、朝。 初めての高校生活が待っている。 僕を知ってる奴も少しいる。もしかしたら噂が流れるかも知れない。 それは、別にどうでもいいんだが、少しぐらいは話せる用にしたいと、思う。 寝ようか…………。
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