188人が本棚に入れています
本棚に追加
物心つくころから、ぼやけた数字が見えていた。
ふわっ、と空中に浮くように数字が見えていた。
ある程度慣れてくると、人と一緒に映っていることが分かった。
何を意味するのかは分からないけど。毎回、数字が減ったり、増えたりしているのも分かった。
僕は、これが普通だと思っていたから、何も疑問に思わなかったし、別に言おうとも思わなかった。
親が、友達が、この数字が見えていないというのを知ったのは、小学校低学年頃。
その頃から苛め始められて、無口になったと思う。
お陰で、友達と言えるのはいない、別にいいけど。
銃は、ある小説を読んで好きになった。十代半ばの少女と喋るバイクの、国を渡るお話。今でも読んでいる。
あれの学園ものも面白い。
閑話休題。
昔話ももう良いだろう。
今は夜。目が覚めれば、朝。
初めての高校生活が待っている。
僕を知ってる奴も少しいる。もしかしたら噂が流れるかも知れない。
それは、別にどうでもいいんだが、少しぐらいは話せる用にしたいと、思う。
寝ようか…………。
最初のコメントを投稿しよう!