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4月、桜が満開の駅のホームにオレは降り立った。
去年の就職活動の時、友達は家の仕事を継いだり、進学するのだが、オレは一人だけ違う地で就職ということになってしまった。
今日は記念すべき第一歩となるはずだが、当然駅に迎えなどいるはずもなく、一人淋しくこれから暮らすことになるアパートへ向かった。
やっと、アパートへ着くことができた。
駅から徒歩5分とか書いてあったが結局20分も歩くはめになってしまった。
表札には[橘 シンジ]とある。
もちろん、オレの名前で、この前来たときに書いたオレの字だ。
ドアを開け中へ入る・・・テレビに冷蔵庫、洗濯機、そしてFAX付きの電話など、日常に欠かせないものは一通りそろえてある。
これからこの町で起こることは、まだ誰にもわからない。
もちろんこれから起こる出来事など予想すらできなかった。
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