その唇染め逝くは 野武士

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欲しい、と思った。 手に入れたくて仕方なくて。 でもどうすれば手に入るのか全然分からなかったから。 「…とく、い?」 力任せに唇を合わせて熱を知る。ああ、暖かい。吉村の体温だ。 そのままぺろりと舌で吉村の紅い唇を舐めあげる。 「ふ、は、ぁ」 息が苦しそうな吉村。 眉を寄せて苦痛の表情がとてつもなく綺麗だなと感じた。 「も、なにすんだよ。お前」 何いきなりキスなんかしてんの、とぶつぶつ言う唇。 あー、やっぱり可笑しいのかな俺は。 .
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