その唇染め逝くは 野武士

3/4
前へ
/290ページ
次へ
「おい、お前聞いてんのかよ」 吉村の呟きに全く返さなかったらそんな事を言われた。 「ああ、聞いてない」 「お前、なぁ…」 はああと深い溜息。憂いを帯びた表情は白い肌によく似合ってる。 「もー、いきなりどうした訳?」 「欲しいと思って」 「は?」 何がと言う前にまた唇を塞ぐ。 綺麗。綺麗だよ吉村。お前が欲しいよ。 「っ…なんで、ふぁ、そ、んな…恥ずかしい事言うかなこの男は」 嗚呼唇だけじゃなく頬も赤くなった。ますます綺麗になる吉村。なんか無性に抱きしめたくなったから抱きしめた。 .
/290ページ

最初のコメントを投稿しよう!

739人が本棚に入れています
本棚に追加