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この日の収録も終わり晩酌のつまみを買い込みながらふと思う。
最近すれ違いになる事が多い相方兼恋人の事を。
ドラマに出る事になってから特に時間が合わない。無限大の舞台やテレビ用のネタ合わせぐらいでしか触れ合う事も無い。
「寂しい、とか思わへんのやろか」
そう呟いた後に自嘲の笑みが零れる。
人一倍プライドの高いあの獣が寂しいと思うわけが無い。
寂しいのは寧ろ自分だというものを。
「…しゃーない、わな」
ああもう、早く帰ろう。
カゴの中にビールをぶち込んで会計を済ませた。
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