体温だけが真実を刻んで 無形

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「ふ、ぁ…」 口から洩れるのは自然に甘くなる嬌声ばかり。唇を塞がれたら抵抗なんて出来やしない。 いい加減呼吸が苦しくなっていしだの胸を少し押す。 もう、離してくれ そんな俺の気持ちを知ってか知らずか更に深く吸い上げてきた。口腔の歯列をなぞりあげて舌を絡み合わされば力が抜けてしまう。 あかん、頭がくらくらする… やっと口付けを離してくれたいしだは俺を見てにやり、と笑った。 「お前もたってるやん」 いい加減にしろという叫びはただ噛み締めるように吐息と漏れた。 -End-
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