リモートコントローラー

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「は?お前どうゆうことやねん」 『そんなんこっちが聞きたいわ!』 侯隆とのケンカはこれで3度目やった。 その度に「別れる」とか言ってきたけど、 結局いつもアタシんとこに戻って来る。 今回もそのはずやった…。 「だからたまたま会社の同僚と飯行っただけやんけ!」 ケンカの原因は 侯隆が知らん女の人とレストランで会ってたこと。 アタシはたまたまそれを見かけた。 けど その場に入り込む勇気は無かった。 私の想像やけど その女の人と侯隆には、入ることの出来ない何かがある気がした…。 恐かった。 いつもアタシの名前を呼んで 「お前しかいらん」って言って 優しく抱き締めてくれたやんか…。 『…まのこと…ってや…』 「え!?」 『ほんまのこと言えゆうてんねん!!』 アタシの怒鳴り声が部屋一杯に響いた。 『侯隆、あの女の人の手握ってたやんかっ!!普段手とか握らへんのにっ!! あの女の人っに…めっちゃ…やっさしい…顔見せてたっ!!』 涙で言いたいことがなかなか言えない。 『誰っなんよぉっ!あの…女の人っ!! グズッ』 侯隆は渋々タバコに火をつけて言った。 「俺の幼馴染みで、俺の大切な人や」 『は…?』 意味わかれへん…。 幼馴染み? 大切な人? 何それ…? 侯隆の彼女は アタシやろ? 『どうゆう…意味…?』 「アイツ、俺の幼馴染みやねん。今、アイツめっちゃ困ってて…」 だから? 「アイツは俺が守らなアカンねん…!」 何言ってるん? 「だから…だからっ」 『だからなんやねん!!』
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