カブトムシ

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そこでボイスレコーダーは終わった。 涙が止まらなかった。 口が真っ赤になるぐらいまで泣いた。 『うゎぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!しょぉたぁっっ!!!!!!うっ…あぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!』 アタシはそのまま意味もなく外に飛び出た。 外はいつの間にか雨が止んでいた。 アタシはひたすら泣き続けた。 『章大っ章大っ ご…めんねっ …う…ぁぁッ…』 ふと横を見た。 一本の大きな木に一輪 桜の花が咲いていた。 いつかの 章大と見たいつかの桜を思い出した。 たった一輪だけだった。 けど、ほかの何よりも美しかった。 『章大…見える?桜咲いてるな…綺麗やなぁっ…』 『章大…アタシも幸せやったで^^ こちらこそ、ありがとう。 忘れへんよ?章大のこと。』 いつも あなたの香りに誘われて アタシより少し背の高いあなたの耳におでこを寄せてたね まるで カブトムシみたいにね いつかあなたと見た桜も あなたの笑顔も あなたの声も あなたの優しさも あなた自身も きっとアタシは 生涯忘れることはないでしょう あなたが ずっとずっと大好きだから 生涯忘れることはないでしょう
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