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ゆっくりと動き出す電車にそって
俺も走り出した。
窓の向こうで必死に涙を堪えてる君に叫んだ。
「無理すんなよっ!? 風邪引いたらしっかり休みや!?電話出てや!?それからっ それからっ」
もうこの声が君に聞こえてるんかはわからへん。
けど俺は一番大きな声で叫んだ。
「笑えっ!!」
俺にそう言ったやろ?
だから
君も笑って?
もしかしたら君に届いたかもしれない。
君は
君は涙を堪えて笑った。
俺が笑い返したすぐ後、
電車は見えんくなった。
次君に会えるのはいつになるか分らない。
不安と孤独で一杯になると思う。
けど
君が頑張るなら
またいつか
「ただいま」って笑ってくれるなら
俺はずっと待ってるから。
俺は見えなくなった電車のほうに向かって
君に向かって
言った
「またな」
遠くの方で君が笑った気がした。
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