月ノ無イ夜

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「…チッ!!」 “各自 任意で対応を開始!!” 近くから聞こえるスピーカーの音を境に またしても銃弾と爆音の嵐となった。 目の前の斜面の下 無数に居る蟲の大群と対峙するスペインの軍隊は 手に持つ銃の引き金を引き続けた。 辺りは 血と 肉と 役目を終えた薬莢ヤッキョウ.にうめつくされて行く。 次第に勢いを増してきたのは蟲である。 明らかに量で勝る奴らは 数発の弾丸を撃ち込まれても動き続ける。 脚の一本や二本 身体の半分が無くなっても 進のを止めようとはしなかった。 “第八班!! 兵力が底を尽きました!! 弾薬 標準装備火器の稼働率 共にゼロ!!!” そんな声が聞こえて来るようになったのは それからすぐだった。
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