第1章

11/11
前へ
/16ページ
次へ
『す…ごい…』 さびれた商店街しか見たことが無かったためか、活気のあるこの商店街に感動した。 入学シーズンに合わせてか、桜などのオブジェで綺麗に飾られている。 豪華な飾りに見とれていたら、いきなり後ろから肩を叩かれた。 「理真」 『お…かあさん!!なんでここに?』 「ちょっとお仕事を探しに行った帰りでね。一緒に帰ろうか。」 ほら 、と、おかあさんは手に持ったスーパーの袋を私にむけた 「今日は理真の好きな牛の叩き。さ、帰ろ」 『………うん』 せっかく商店街に来て、これから探索しようとしてたのに、帰ると言われあまり気乗りはしないが、大人しく帰ることにした。 前の家を出た時は、私を無理やり連れ出したおかあさんを憎んでいたけど、おかあさんは悪くない…と思う。 だからおかあさんの言うことはなるべくきこうと思う。 なんか、なんとなーく。 そうして、二人並んで家へ帰り、その日は静かに終わった。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

164人が本棚に入れています
本棚に追加