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-----朝-----
まだ開ききっていない目をこすりながら、支度を済まし、学校へと向かうため家を出た。
学校まで、歩き。結構距離はあるが、色々な建物があって歩くのが楽しかった。
たらたらよそ見しながら歩いたせいか、学校の門をくぐった頃にはもうチャイムが鳴った。
--キーンコーンカーンコーン--
『…………………………………………………………最悪だ。今日から授業。初日から………遅刻なんて…遅刻なんて…』
教室へ向かうはずの足が何故か止まった。
ふいに頭に文字が浮かんだ。
行きたくない!
…。
『遅刻して入るのは恥ずかしい限りです…。』
一人でブツブツ言っていると、後に気配を感じて振り返った。
「やっべぇ!!また、というか初日から遅刻しちまったじゃねえか!!あぁ~…もう2時間目くらいまでサボっかな……ブツブツ……」
『あ…、昨日の…もじゃもじゃ頭の人…』
「だあれがモジャモジャ頭だよ!!…ん?てか、アンタ誰?どっかで会ったっけ?」
『昨日、体育館の前でちょっと話した者ですー。…モジャモジャ頭さん、昨日も遅刻してたよね?』
「あぁ!!あれか!!てか、アンタも連続遅刻じゃん!!そして、モジャモジャ頭くん じゃねぇ!!
切原赤也 っていうちゃんとした名前があんだよ!!」
『切原赤也君ね。よしよし覚えたよ! 私は島井理真、3年でこの度転校してきたんだよろしく!』
…後から思ったが、なんか馴れ馴れしかったかな…
「あれ、3年………っスか。すみませ~ん2年くらいかと思ってましたよ~。島井先輩っスね。宜しくっス。」
『な、なんか急に礼儀正しくなったな…まあ、よろしく!さっそくだけど今とても困ってるんだ!』
「何が っスか?」
『教室に入りづらいんだけどどうしたらいいかな』
「え、何不登校的なことを早速…」
『違う違う!遅刻したら入りづらいなって!』
「ふ~ん…俺は気にしないっスけどねぇ。ただ、面倒くさいから、これからサボるつもりなんスけど、ついてきます?」
『サボ…リ…マンガでしか見たことなくて憧れてたんだ…!!ちょっとこわいけど、゛サボリ゛を体験してみることにするよ!ヨロシク切原赤也君!』
「了解っス。誰か連れが居たほうが楽しめるしね」
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