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-----とある暖かい日-----
冬の寒さなど遠い過去のように、暖かくて優しい春の風が吹く天気の良い日だった。
「じゃあな里真…母さんと仲良くやるんだよ」
『いやだよ、いや。私ここに残る。皆ともっと、もっといたいよ…一人でもなんでもいいから、だからここに居させて!!もう、何もわがままいわないから、ねぇ、ねえ!!』
「もうあんたと顔をあわすことはないわ…色々ありがとうね。里真はまだまだこれから…私が責任をもって育てるわ。じゃあ」
『いや!!離して、いやだ、いやだいやだ、離してええ!!!!』
「里真、お前の幸せを願っているよ。元気でな」
『父さん!!!』
手を伸ばしてももう届かない
どんどん遠ざかっていく
父さん…私の幸せを願っているなら私の腕を掴む母さんの手を離させて
ここに、居たいよ…
大切な友達を残し、私は母さんと産まれてからずっと居たこの町を離れた。
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