第1章

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急だった。 母さんと父さんがうまくいってないのは知っていた。 けれどここまで話が進んでいるなんてこれっぽっちも思っていなかった。 母さんは父さんと別れ、父さんは前の家へ残り、母さんは私をつれて遠く離れた神奈川県の町へ来た。昔母さんはこのあたりへ住んだことがあるらしく、土地勘も若干あるためここへ来た。 私の学校については、お金がいるし、普通の公立でいいって言ったのに、高い高い私立へ入れられた… 正直、前の町へ戻りたくて戻りたくていつも泣きそうだ。 大切な友達に、お世話になった人に、何も言わず 言えず… 戻りたくて戻りたくて その気持ちが強すぎて新しい学校なんて行きたくなかった。また皆を思い出すし。 転校なんて産まれて初めてで、なんだか怖かった。 そして私は一学期が始まると同時に゛立海付属中゛に入学。 あの日を思い出すような、またそんな暖かい日だった
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