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しかも三千世界って仏教用語で十億個の世界の集まりって意味だろ。
どんなジャイアニズムだよ。
「あのなぁ。かのん。だからー」
めしぃ。
僕の顔面に何かがめり込んできた。
かのんの鉄拳だった。しかもご丁寧にメリケンサックまでつけてやがる。
痛い。もう凄く痛い。こりゃ鼻骨にヒビぐらい入ってるだろう。いや、絶対入った。
「っっっ痛っ。ちょっ、お前何を-」
「えぇーい。黙れ黙れ黙れ。さっきから人が下手に出ていれば、ぶぅぶぅぶぅぶぅ文句を言いおって。大体、勝っちゃんは正義の徒であろう。ならば私の言葉を一々考えるな。感じろ。」
「無茶言うな!」
カンフーマスターでも目指せと言うのか。
しかし。それにしてもどうしたのだろう。かのんがいつにも増して凶暴さを増している。
そりゃ、いつもだって手がつけられないレベルだけどさ。
何かあったのだろうか。
「確かセミナーがどうとかって-」
そこで教室のドアが乱暴に開かれる音がした。
音源の方に視線を向けると一人の見知らぬ女生徒が息を切らせながら教室の入口に立っていた。
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