一日目

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 綾神高校の制服制度は少々特殊である。フランスかどこかの有名アーティストがデザインしたらしいそのブレザータイプの制服には驚くべき事に学年毎に制服カラーが存在する。  色はそれぞれ一年生から順にワインレッド、コバルトブルー、ダークグリーンとなっており、在学生は進級する度に新しい制服へ衣替え(フォルムチェンジ)する事が義務づけられている。  つまり、綾神高校の生徒は在学中に最低でも三着の制服を購入しなければならないのだ。  この制服制度には賛否両論(因みに僕は反対派だ)あるものの生徒間の間では概ね好評らしく制服目的で入学してくる生徒もわりかし多い。  で。  その女生徒のブレザーは僕らと同じコバルトブルー色をしていた、という事は二年生だ。  可憐な幼女。それが第一印象だった。  くりくりとまるで小動物を思わせる瞳。なめらかな白肌。全体的に整っているのだが、どこかあどけなさを残した顔立ち。亜麻色の髪はボブカット気味に揃えられているが左右の襟足は肩にかかる位の長さだ。頭頂部には赤い大きめのリボンがついている。身長はどの様に大きく見積もっても百五十センチには到達不可という位小柄。  総じてロリータな感じの美少女だった。  僕には幼女趣味なんていうペドな趣味は持ち合わせていないが、それでもこの子が上目遣いで「お兄ちゃん」とか呼んでくれたら何か目覚めてしまいそうな気がする。  「ハァハァ。かっかのんちゃん待って。そこから先は私が話すから。」  幼女が頬を紅潮させながらかのんを呼び止める。
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