一日目

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 如月ヶ丘 潤(きさらぎがおかうるう)は我が綾神高校きっての秀才である。  秀才。  学を極めし者。  智の達人。  最後に笑う女。  綾神ハーマイオニーetc…。  綾神高校に飛び交う如月ヶ丘先輩の尊称は無数にあり、そしてその名に偽り無く彼女は秀でた人間であった。  学術方面では、学年一位所か全国模試でもフルスコアでトップ。  TOEICは帰国子女でもなければ留学経験も無いにも関わらず満点の成績を残し、小学生の頃から毎年出場している国際数学オリンピックでは、一度も漏れる事無く金メダルを受賞。大学は既にアメリカの難関大学の推薦入学が決まっているらしい。  勉学だけではない。彼女のその優れた才能は多岐に及んでいた。  彼女は現在、吹奏楽部、合唱部、演劇部、美術部、文芸部と計五つの文化系のサークルにし、その全てをわずか数年で全国区に押し上げた。  おまけに彼女はかのんとタメを張るレベルの美貌の持ち主でおまけに人当たりも良好。彼女の下駄箱には連日、学校の内外、男女問わずなラブレターが殺到しているらしい。  まさに綾神高校きっての才女。優等生が模範する優等生。綾神of綾神。それが如月ヶ丘潤という秀人だ。 そして、その彼女が最近、  「悪質な自己啓発セミナーにハマっているみたいなんです。」  美桜ちゃんが伏し目がちに語り出した。
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