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傭兵師かのん。今もむしゃむしゃと自家製の握り飯にかぶりついている(現在、七個目だ)この女が今回の旅の元凶だ。
猫を思わせる吊り目に、整った鼻梁。今現在、飯粒がついている唇は健康的なピンク色だ。髪は艶やかな長髪をポニーテールでまとめている。服装は白地のYシャツに黒のストライプパンツ。長身のかのんが着るとやけに色っぽい。
端的に、そして陳腐な表現で彼女を表すと傭兵師かのんは美少女である。それも、現在活躍している正式な数さえあやふやな有象無象のアイドル集団等目じゃない程のレベルだ。
これだけでは、僕が自分の置かれている現状を自慢しているように聞こえるだろう。
しかし、僕の現状を表す言葉は自慢ではない。悲観だ。狂喜ではなく、狂乱だ。傭兵師かのんの事を良く知る人物が今の僕を見たならば、この気持ちに賛同してくれるはずである。
何故か。その理由を説明するために一つのエピソードを思い返す。しっかり聞いておけよサイキッカー。
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