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しかし、かのんは積極的にいじめへ荷担していた者、そして、主犯格の男には一切容赦しなかった。
哀れなイジメっ子達。教師達が駆けつけた時には(教室にいた担任はかのんが真っ先に倒した)、既に彼らは見るも無惨な血達磨と化し、見事全員、病院送りとなった。
その後彼らの姿を拝めたのは三年生になってからである。
で。
加害者のかのんはというと。
当初、彼女は障害事件の犯人として逮捕され、間違いなく少年刑務所行きだと言われていた。
が、しかし。
最後に笑うのは正義という事か。なんといじめられていた生徒とその家族、そしてかのんによって改心したうちのクラス、ひいては学校を挙げての大規模な嘆願が発生。
このムーヴメントが追い風と化し、最終的に奇跡の保護観察処分となった。
めでたく大団円である。
だが、話はこれだけでは終わらない。
もしもこれがライトノベルや漫画等で見られる様な活発系ヒロインの武勇伝ならばここで終了だろう。
強いぞヒロイン。めでたしめでたしだ。
ところが、現実は甘くない。三次元は辛口なのだ。
この話には続きがある。
かのんが保護観察処分となり学校で大団円を迎えていた頃僕は暴力団の怖い人達に拉致れていた。
どうやら病院にいる主犯格の不良の父親が命じたらしい。
かのんにも僕の事を助けたければ一人で事務所へ来いという様な旨の連絡を入れたそうだ。
彼らの意図では、幼なじみの僕を人質に取ればかのんが抵抗せずにこちらの軍門へ降るとでも思っているのだろう。
馬鹿な奴らめ。事件の時、真っ先に幼なじみを手加減無しで斬り伏せた(肋骨骨折、全治三週間だそうだ)女が本気で来るとでも思っているのか。
しかし、意外にもかのんはやって来た。どうやら幼なじみも一応、それなりに大切に思われているらしい。
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