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学生服姿のかのんの手には愛用の木刀が携えられていた。
暴力団のお兄さん達が僕にチャカを突きつけ、あの、負けフラグを発生させるセリフを吐く。
「武器を捨てろ!こいつの命がどうなっても良いのか!」
するとかのんはお兄さん達を哀れむ様な目で見つめた。
「馬鹿者!そんな脅しに屈すると思ったのか。全く哀れだな。勝っちゃんが鉛玉如きで死ぬものか!恥を知れ愚か者!」
「馬鹿はお前だ!」
そして哀れな僕。
そして一言。
「組長の所へ連れて行け。二度と我が校の生徒に手を出せぬ様、折檻してやる。」
圧勝だった。
その後、僕を救出したかのんはその足で暴力団の組長邸へ討ち入りを果たし、組長を組み伏せ、事実上、一つの暴力団を壊滅に追いやった。
後にかのんサーガ血の池地獄編と語られる事件である。
回想終了。
つまり。僕の幼なじみとはこういう奴なのだ。
異常なまでに正義を愛し、異常な武力で悪を砕き、異常な感性を貫いて、平凡に異常を振りまく異常人。異常、異常、異常、異常、異常、異常、異常、異常、異常、異常、異常、異常、異常、異常、異常、以上がはた迷惑な僕の幼なじみ、傭兵師かのんの説明である。
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